あらすじ
下町商店街の片隅に、夜まで灯りをともす小さな本屋「月灯書房」がある。
元・起業家の店主が静かに店番をするこの場所には、人生に迷った人たちが、ふとした拍子に足を踏み入れる。
35歳の営業事務・高橋悠斗は、三度目の昇格試験に落ちた帰り道、上司からの電話で不合格を知らされる。
「期待されていないんだ」と心が折れかけたその夜、雨宿りのつもりで入ったのが月灯書房だった。
元起業家の店主・佐倉が差し出したのは、一冊の伝記と、自身の失敗談。
「昇格試験の結果がすべてではなく、自分が納得できる小さな改善を積み重ねられるかどうかが、道しるべになるのだと思います」
会社からの評価だけが自分の価値じゃない。
ありのままの自分をいったん受け入れ、営業資料の改善案という「小さな一歩」を選ぶ悠斗の心に、月のような灯りがともる――。
下町の本屋を舞台に、
・昇格試験に落ちた平社員
・夢を諦めかけたクリエイター
・育児と仕事の板挟みになった親
……など、様々な悩みを抱えた人たちが、本と店主との出会いを通して「人生を少しだけ動かしていく」連作短編です。
※なろうにも同時連載中