あらすじ
主人公は小学三年生の夏、祖母の家で見つけた竹箒で本気で空を飛ぼうとしていた。魔法の力があると信じ、何度も失敗しながら練習を続けたが、夏休みの終わりに諦めた。
三十八歳になった主人公は、契約社員として働いていた会社から突然の契約終了を告げられる。これまで七社を転々としてきた彼女は、再び職を失い、不安に苛まれる。貯金は百二十万円あるが、税金や保険料の支払いを考えると八ヶ月しか持たない。
雨の降る部屋で、主人公は「もし魔法が使えたら」と空想する。しかし現実には魔法はない。それでも、「明日はある」と信じて求人サイトを開き、また歩き出そうとする。