あらすじ
どしゃ降りの雨が降る最前線の塹壕。三人の兵士たちは、世界の「怪物」と呼ばれる三強陣営―― 教皇国の『鉄血の枢機卿』、帝国の『紅蓮の魔女』、都市連合の『黄金の獅子』 ――の圧倒的な武勇を語り合っていた。
しかし、彼らが語る真の絶望は、自分たちの所属する 『王国第三辺境連隊』 の惨状だった。装備はボロボロ、援軍も食料も絶たれたこの「ゴミ溜め」を率いるのは、魔力ゼロで無能な公爵令嬢、アリシア。
泥にまみれ、すべてに裏切られたアリシアは、自嘲的な妄想(偽呪術パロディ)に陥りかけるが、自らの頬を叩いて正気を取り戻す。彼女は指揮官として軍議を開き、的確な戦略を命じるものの、部下たちは返事すらしない。
返ってくるのは、軽蔑を通り越した「無関心」。 魔力も、人望も、未来もない。最弱の軍勢の中で、復讐心だけを糧にアリシアの物語が動き出す。