あらすじ
『アウグスト戦記』。 剣と魔法、人族、エルフ、ドワーフ、竜人、獣人、そして魔族。様々な種族が時に争い、時に手を取り合って暮らす大陸を舞台に、君主となって大陸の覇王を目指す、国盗り国家運営シミュレーションゲームだ。
「あーあ、また詰みかよ。……努力が報われないクソゲーなんて、俺の主義に反するんだよな」
数千時間をこのゲームに捧げてきた男・稲葉竜司は、三十路のサラリーマンだ。
どれだけ知略を尽くしても最後には、圧倒的な暴力に蹂躙されるバッドエンド。
そんな理不尽な世界を、彼は煙草を燻らせながら、冷徹かつ強メンタルで分析し続けてきた。
深夜、彼が見つけたこのクソゲーの攻略の光――それは、絶滅したはずの魔族の君主、ラルフ。
「こいつなら、この不条理なゲームの攻略も!」
そう、確信し、魔族の君主、ラルフを選択した瞬間。
彼は画面の向こう側――太陽が照りつける白い砂浜と、生命の息吹に満ちた最果ての地へ、魔族の君主、ラルフとなって放り出される。
そこは住民ゼロ、資源ゼロの、周囲には強力な魔獣が蔓延る、アウグストの世界の最果てだった。
しかし、そんな最悪の状況を、持ち前の強メンタルで、あっさりと受け入れ、最良のエンディングを迎える為に立ち上がる。
あるのは、ポテンシャルを秘めた魔族の肉体、培ってきた「合理的思考」、そして、やり込んだゲーム知識。
住民がゼロならば、周辺の種族を仲間にしよう。資源がゼロならば開発をしよう。
すべては、無念の死を遂げるはずの英雄たちを救うために、大切な仲間と旨い酒を飲み、最高の風呂に入るために。
これは、お気楽な現実主義者が最果ての地から世界を合理的に塗り替えていく、本格異世界国家運営戦記。
奪い、枯れ果てる時代は終わらせる。今、真祖の王による逆転の覇道が始まる。