あらすじ
デベロッパーとして再開発に携わる凛は、
反対運動と住民の怒りの矢面に立ち続けていた。
ある朝、ホテルを出た目の前で起きた飛び降り。
亡くなったのは、凛が淡い想いを抱いていた朝倉誠だった。
喪失の痛みを抱えたまま仕事に戻る凛の前に、
数日後「兄」と名乗る男が現れる。
その男、譲は、慰めの言葉を与えない代わりに、
凛の崩れた心を“生活”で囲い込んでいく。
嘘を重ねるほどに守られる関係。
疑問から目を逸らすほどに温かくなる部屋。
正しさと罪悪感が、同じ形で崩れていく───
再開発と恋が同じ速度で壊れていく、
救いようのない話。