あらすじ
この世界では、神は人を救わない。
――救う命を、選ぶだけだ。
戦場の底辺で生きる男、“一兵卒のザコ”。
卑怯で、臆病で、逃げ足だけが取り柄の兵士。
だがある日、彼の右目に――
天界から逃げ落ちた“何か”が宿る。
それはかつて、人類を選別していた大天使の力。
未来に訪れる「死」だけを、見逃さない目。
ザコは知らない。
自分が神話の中心に立ち始めていることを。
ただひとつ、変わったことがある。
――逃げれば、生き残れる。
――逃げれば、誰かも生き残る。
やがて人々は彼をこう呼び始める。
「汚ねえ天使」と。
これは、
選ばれなかった命を背負って逃げ続けた、
最弱の英雄の生存神話。