あらすじ
王太子ローデリヒの婚約者として、
表には出ずとも政務と調整を一手に引き受けてきた令嬢アデリーナ・フォン・グラーフ。
しかし――
「君は役に立ちすぎる」
その一言で、婚約は一方的に破棄される。
有能すぎたがゆえに疎まれ、
便利な存在として扱われていただけだったと知った彼女は、
すべての役割から静かに身を引くことを選ぶ。
もう、誰のためにも判断しない。
誰の期待にも応えない。
選ばれない日々を、自分の時間として生きていく。
そんな彼女のそばにいるのは、
多くを語らず、決して踏み込まない無口な公爵
バルトロメウス・フォン・クレイン。
彼は彼女を縛らず、救おうともせず、
ただ「彼女が選ぶ人生」を尊重し続ける。
ざまぁは、声高ではなく静かに。
溺愛は、言葉ではなく行動で。
役に立たなくなった令嬢が手に入れたのは、
誰にも奪われない、本当の自由だった。
これは、
“何もしないこと”を選んだ有能令嬢の、
静かで確かな人生の物語。