あらすじ
民の選択によって剣なき決着が下された、その夜。
城下では、表に出ない異変が起きていた。
リオネルは屋根伝いに城下を巡り、
命令が錯綜する非正規の兵士たちの存在を知る。
彼らは名もなく、立場も曖昧なまま、
複数の“上”から同時に命じられていた。
背後で囁く正体不明の声。
失敗を許さず、「証拠を消せ」と命じる存在。
それは剣による戦ではなく、
手順と命令による“整理”だった。
アルヴェルト公が語らなかった裏側で、
人は静かに消されていく。
血のない夜の不自然な静けさの中、
リオネルは改めて縄を握り直す。
夜はまだ終わっていない。