あらすじ
双田《ふただ》・楠男《くすお》、彼ははっきりいってブサイクなキモ男だった。
これで性格が良ければ、まだ救いはあったのだが、性格もキモい。
爬虫類を思わせる粘着気質。
もうサイコパスと言っていいだろう。
犯罪歴がないのは彼の計算がそれなりで、犯罪が割に合わないと理解していたからだ。
ある日、彼は心の太陽と言える存在に出会った。
それは恵美奈《えみな》。
名を体を表すか如く彼女は笑顔が可愛い超美人。
彼女がストーカーに悩まされていることを知った楠男《くすお》は彼女を手に入れるために、ストーカーを利用することを考えた。
この時点で既にキモい。
ストーカーをストーキング。
全てを調べ上げた。
かなりキモい。
恵美奈《えみな》に害が及ばないように、ストーカーが彼女の部屋に侵入しようとすれば、パトカーの音を鳴らしたり、マンションの各所で住人を装ってストーカーに挨拶したりして、ストーカーを撃退していた。
善意ある普通の片思い男なら、証拠が出揃った時点で通報している。
楠男《くすお》は虎視眈々と彼女を手に入れる機会を窺っていた。
そして、事件が起こる。
恵美奈《えみな》をナイフで脅し、ことに及ぼうとしたストーカーの敵意を自分に向かせて、攻撃させるように煽った。
刺された楠男《くすお》。
彼の顔には恵美奈《えみな》の好感度メーターカンストだろとのキモい笑みが浮かんだ。
超絶キモい。
刺された場所が悪かった楠男《くすお》は天に召されてしまう。
魂になった楠男《くすお》を召喚したのは異世界の神様。
出されたクエストを成功させれば、生き返らせてくれて、恵美奈《えみな》とパッピーエンドできるやも知れぬと約束してくれた。
お題はクズスキルである文字置換スキルと想起スキルによる新しいスキルの創造。
成功すれば、楠男《くすお》は創造したスキルの神となる。
文字置換スキルの機能はただ脳内の文章の文字を置き換えるだけで、想起スキルは過去の記憶を思い出せるだけ。
楠男《くすお》はサイコパスの執念で難題に挑むのであった。