あらすじ
高校2年生の由香は、親友のサキたちと放課後の教室で「コックリさん」を行う。しかし、恐怖による中断や男子の乱入により、儀式は二度も失敗。三度目、下校チャイムの焦りから全員が同時に指を離してしまうという、禁忌の「未完了タスク」を残してしまった。
翌日から友人たちが次々と欠席し、サキの瞳から生気が失われる異常事態が発生。由香は救いを求め、人生のデバッガー・類(タグさん)のもとを訪れる。類はそれを「呪い」ではなく、不安という古いOSが引き起こした「システムエラー」だと一蹴。観念運動の正体を暴き、他人に人生を委ねる危うさを論破する。
類の言葉で友人たちは回復するが、特定の人への執着=「データ」を諦められない由香は、一人で儀式を継続。自身の執着が生んだ「もう一人の自分」と共に、閉じたパラレルワールドへと堕ちていく。事件は解決したかに見えたが、教室に残された十円玉は「残留キャッシュ」として新たな媒介者を探し、呪いの無限ループは密かに再配布され続けるのだった。
👥 登場人物
類(るい:通称 タグさん)
「人生のデバッガー」と呼ばれる謎の人物。感情を排した冷徹な論理で、オカルト現象を脳のシステムエラーや観念運動として解体する。相談者に対し「自分のOSをアップデートしろ」と厳しく突き放す、メンター的存在。
由香(ゆか)
本作の主人公。高校2年生。占いや「コックリさん」で好きな人の情報を得ようとする、依存的なOSを抱えた少女。類に論破された後も、自らの執着から「自分だけの亡霊」を作り出し、孤独な儀式にのめり込んでいく。
サキ
由香の親友。コックリさんの途中で指を離してしまい、鏡に映った自分さえ認識できないほどの深い精神的ダメージ(空洞化)を負う。
担任の教師
エピローグに登場。教室に落ちていた「呪いの十円玉」を拾ったことで、無自覚に残留思念(キャッシュ)を読み込んでしまう新たなターゲット。