あらすじ
東京地検特捜部検事・桐生タケル、四十三歳。十五年間、この国の闇と戦ってきた男は、疲弊していた。だが、部下の若手検事・林マユミが持ち込んだ都市再開発汚職疑惑が、彼の運命を変える。
国会議員・橘シンイチロウと暴力団「関東一誠会」の癒着——内部告発者・吉岡ケンジは確実な証拠を持っていた。だが、桐生たちが接触した直後、吉岡は目の前で狙撃され、命を落とす。
上司の斎藤部長は「手を引け」と命じる。二十年前、同じような事件で上司を失い、正義を諦めた男の苦渋の警告。だが、林マユミは諦めない。父を不正な取引の拒否で追い込まれ自殺に追いやられた過去を持つ彼女は、「正しい人が報われない国を変える」ために検事になった。
フリージャーナリスト・三上リョウコも加わり、三人は真実を追う。だが敵は巨大だった——橘の背後には「日本再興会」という秘密結社が存在し、財界・政界・官僚、そして検察のトップまでもが関与していた。
桐生の娘が誘拐され、三上も監禁される。絶望的な状況の中で——諦めていた斎藤部長が立ち上がる。「二十年間、逃げ続けた。だが最後に、正しいことをしたい」単身で娘の救出に向かった斎藤は、アヤを守り抜き——そして命を落とす。
斎藤の遺した日記、吉岡の証拠、三上の調査——すべてを統合し、ついに日本再興会の全貌が明らかになる。林と三上は命がけで真実を公表し、腐敗の連鎖を断ち切る。
橘は辞職し、日本再興会のメンバーは次々と逮捕された。林は若き改革者として検察を変え始め、三上は権力を監視し続ける。桐生は検察を辞め、弁護士として弱者の代弁者となる道を選ぶ。
それから十年——林は最年少・初の女性検事総長に。三上は国際的な調査報道記者に。そして桐生の娘・アヤも弁護士となり、父と共に正義のために戦う。
正義の残り火は——世代を超えて、確実に受け継がれていく。