あらすじ
あ、かわいい。
朝の予鈴で目覚めた榊原くんは大きく口を開けて欠伸をした。ふたつ隣の席に座る彼の頬にえくぼを見つけて私は口元を緩める。
こんなに騒がしい教室でよく眠れるなあと思いつつ、机の中から二つ折りになった紙を取り出す。そして筆箱の中のスタンプのキャップを開けた。開いた紙にはマス目が印刷されており、その半分以上が赤い丸印で埋められている。
私は空いたマス目にスタンプを押した。
とん、と音を立て、新しい赤い丸印を紙に乗せる。
そうして今日もまたひとつ、私は自分の気持ちを積み上げていく。