あらすじ

その春、僕の通う高校はなくなることが決まっていた。  統廃合。数年後には校舎も名前も、きれいに消えるらしい。  卒業を控えた三年生の僕は、その事実から目を逸らすように、  いつも通りの放課後を過ごしていた。  変わらない日常。変えたくない関係。  何も決めず、何も終わらせないまま、時間だけが進んでいく。  そんな中、クラスメイトの彼女だけは、最初から知っていた。  この学校が終わることも、ここでの時間が二度と戻らないことも。  彼女は笑って言う。 「卒業って、案外あっさりしてるよ」  逃げ続ける僕と、受け入れている彼女。  同じ校舎にいながら、向いている未来は少しずつずれていく。  これは、世界を救わない話だ。奇跡も起きないし、約束も残らない。  ただ、終わってしまうことを受け入れるまでの、短い春の記録。  ――桜が散る前に、僕らは何を手放すのだろうか。

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カクヨム
カクヨム2026/01/28
  • 現在の作品終わらない放課後に、名前をつけるなら