あらすじ
※冷却系ざまぁ/ハッピーエンド保証
「あなたが盗んだのよ」
後見筋の令嬢メリネにそう囁かれた瞬間、公爵サーリオスは私を見ずに頷いた。
公爵家の会計補佐として帳簿を守ってきた私、ユディアに下されたのは横領の濡れ衣と婚約破棄。
泣いて縋る気はない。弁明しても、どうせ信じてもらえない。
だから私は、誓約印付きの婚約証書を監査局へ封印預託した。
この印には、締結時の言葉と最終接触者の痕跡が残る。
嘘が残るなら――真実も残る。
3日後、王宮・評議の間での公開聴聞。
静かに決着をつけたその先で、公爵が差し出したのは謝罪でも求婚でもなく。
「君の自由と職権を保障する。選べ。俺は縛らない」
捨てられた私が手にしたのは、対等な恋の始まりだった。