あらすじ
「この世界は、それが真実だと言わんばかりに、美しく塗り潰されている」
生まれ持った『紋章』が人生のすべてを決定する世界。
「罪人の子」として監視されるサトシウスは、王宮の記録官として、国の正史『光耀正典(コウヨウセイテン)』を汚さず書き継ぐことだけを「贖罪」として生きてきた。それが、偽りの平和を支える片棒を担ぐ行為だとは知らずに。
ある日、父の遺品である『銀のペン』を手にした瞬間、運命が反転する。
意志を無視して溢れ出したのは、国が消し去ったはずの凄惨な「真実」だった。
いままでなにも無かった彼の首元に存在を否定される『0番』の紋章が現れる。
昨日までの正義はすべて嘘になり、彼は監視の目をかいくぐり王宮を脱出した。
手に残されたのは、父のペンと、白紙の歴史書。
たとえ世界が嘘を記録しても、この銀の筆跡だけは真実を覚えている。
支配者が作った歴史を壊し、失われた自分たちの価値を証明するための逆転劇が、今始まる。