あらすじ
美しいドレスよりも舗装された道路を愛している。
公爵令嬢アメリアにとって泥は汚いものではなく未来の建材だった。
しかし華やかな王都において彼女の価値観は異端でしかない。
婚約者である王太子からは薄汚いと蔑まれ、ついには国外追放を言い渡される。
行き着いた先は魔物が徘徊し凍える風が吹き荒れる北の辺境。
普通の令嬢なら絶望するその光景を前に彼女だけが目を輝かせた。
ここには何もないからこそ全てをゼロから設計できる。
上下水道の整備に断熱リフォーム、そして魔物の侵攻すら防ぐ要塞建築。
前世の知識と規格外の土魔法で過酷な土地を快適な楽園へと作り変えていく。
その技術はいつしか凍てついた辺境伯の心さえも溶かし始める。
一方でアメリアという礎を失った王都には物理的な崩壊の足音が迫っていた。
彼女が本当に守りたかったものは何だったのか。
そして築き上げた街の先にどんな景色が待っているのか。