あらすじ
「おら、早く乗れ! 乗れよ!」
――油断した。
「動くんじゃねえ! 舐めてんじゃねえぞ」
――こいつらは……。
「クソ不死がよお」
――不老不死狩りだ。
数分前――。スーパーのレジ袋をぶら下げ、おれは人けのない路地を歩いていた。空が分厚い雲に覆われているせいもあって、昼間だというのに薄暗い。風が吹き抜けると湿ったカビと埃の匂いが鼻腔にまとわりついた。
おれは小さく息を吐き、足元の小石をつま先で弾いた。乾いた音がアスファルトの上で跳ねた――そのときだった。ふと、前方の壁際に誰かがいることに気づいた。
折り畳み椅子と小さな机。机には赤い布が敷かれており、細々とした何かが置かれている。露天商だろうか。おれはちらちらと視線を向けつつ、通り過ぎようとした。