あらすじ
窓の外は、静かに雪が降り始めていた。 高校一年生の冬、不用意に放たれた友人の一言が、俺の隠し続けてきた「秘密」を暴いてしまう。
相手は、幼馴染でバドミントン部のチームメイト、美月(みづき)。 最悪の形で「好き」がバレてしまったあの日から、俺たちの関係は変わった。 ……いや、変わらないために、必死に「普通」を演じる日々が始まった。
もし一歩踏み出せば、今の居場所は粉々に砕けてしまう。 けれど、このまま立ち止まっていていいのか。 部活での何気ない会話、全員に配られたメッセージカードの温もり、そして隣にいない誰かの影。 焦燥と沈黙が入り混じる三年間の中で、俺は目に見えない「細い紐」の上を、ただ慎重に歩き続ける。 これは、バドミントンのシャトルが描く軌跡のように、揺れ動き、重なり、そしてすれ違っていった、僕と彼女の三年間を巡る物語。