あらすじ
「本日をもって、お前との婚約を破棄する」——五年間尽くし続けた王太子エドワードから、舞踏会の場で婚約破棄を言い渡されたリーゼロッテ。新たな婚約者は、彼女を陥れ続けた義妹アメリア。けれど、泣き縋るつもりなど毛頭ない。「承知いたしました。では、私が持参したものはお返しいただけますね」彼女が求めたのは、たった一本の古びたフォーク。「たかがフォーク一本、くれてやればいいものを」嘲笑う王太子。しかしそれは——王家の正統な後継者にのみ反応し、毒を浄化し、祝福を与える『神託の食器』だった。フォークに触れた瞬間、蘇る前世の記憶と、失われた古王家の血筋という真実。色褪せていた姿は輝きを取り戻し、リーゼロッテは静かに告げる。「それでは皆様、ごきげんよう」五年間の「承知いたしました」は諦めの言葉。けれどこれからは——自分を必要としてくれる人への、愛の誓いに変えてみせる。前世は料理研究家、今世は神器を継ぐ公爵令嬢。彼女の新たな人生が、今始まる。