あらすじ

誤差みたいな少年 世界が壊れる少し前、冴月凪斗はただ「ついてないやつ」として同級生に認識されていた。雨の日にだけ傘を忘れ、テストの日に限って目覚ましが止まり、楽しみにしていたイベントはことごとく中止になる。本人も「俺ってそういう星の下なんだろ」と笑っていたし、周りも冗談半分で済ませていた。 氷見つぐみには、あだ名があった。「クラッシャー」。彼女が入ったグループは、なぜか少しずつ軋んで最後にはばらばらになる。仲良し三人組は二対一に分裂し、部活の同期ラインは全員未読スルーの戦場と化し、卒業旅行の計画はなぜか自然消滅する。 お互いを特別なモブとしても認識しない。ただ、その日を境に、交差点の周辺で小さな事故が増えた。自転車同士の衝突、落とし物の急増、意味不明な言い合い。ニュースになるほどではない、統計の端に引っかかる程度の異常だ。 世界はまだ黙っていた。けれど、二人の指先と声が同じ空気を震わせた時間を、きっちり記録していた。

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カクヨム
カクヨム2026/01/27
  • 現在の作品足りない異能力と「トントン」机を叩く音。