あらすじ

【AI補助利用について】 壁打ち、設定のブラッシュアップ、推敲、誤字脱字のチェックにGeminiとチャットGPTの無料版を使用しています。 キャッチコピーはわたしとチャットGPT作です。 【はじめに】 このお話は『死神探偵の事件簿 一日目 事件発生 https://kakuyomu.jp/works/16818622176346850886/episodes/822139841419113487 』のリブート短編です。 あらすじ的には変わらず、構成は少し変更しました。 【ネタバレはするけど本編を読むのには特に支障はないあらすじ】 無窮《むきゅう》リドル 2025年11月8日から9日にかけて、僕は夢を見ていた。 どうしてそこにいたのかは、分からない。 見慣れた校内、屋上へと向かう階段を登っている。 夕日で赤く染まる屋上で待ち合わせをしていたらしい、僕とクラスメイトの彼女。 僕は恋人がいる旨を伝えて断ろうとする。 しかし、彼女は引き下がらない。 都市伝説、噂話の『赤い死神』が実在することを彼女は仄めかす。 僕は困惑して、彼女に問いかける。 しかし却って混乱してしまう。 「赤い死神の正体は、あなたでしょう?」 「——私が好きになったのは、あなたが『赤い死神』だと思ったから——」 その言葉に僕は絆されてしまい、彼女を手にかけてしまう。 【登場人物紹介】 僕《ぼく》 主人公兼語り手。 本名は杉浦月下《すぎうらげっか》。 2007年10月27日生まれ。 18歳の誕生日をむかえたばかりの高校生。 どちゃくそイケメンだが、あまり頭はよろしくない。 私《わたし》 僕(杉浦月下)に告白してきたクラスメイト。 本名は太田香澄《おおたかすみ》。 ストーカーの如き観察眼で僕を追い詰める。 頭髪検査をものともしない、茶髪のボブカットがチャームポイント。 【死神探偵の事件簿 一日目 事件発生】 ——気がつくと階段を登っていた。 「あれ?」 彼は階段の途中で、足を止めた。 「え?」 一拍遅れて、腰のベルトループから垂れた赤いベールがふわり、と優しく揺れる。 「僕……何してたんだっけ?」 ボンヤリと、辺りを見回した。 ここは見慣れた学び舎《や》、学園の部室棟、のはずだ。 屋上へと続く階段を登っていたことに、遅れて気がつく。 「えーっと、そうだ。放課後。夜、新聞部の、部室の窓から飛び降りた……」 意識がはっきりとしてくると、強烈な後悔の念に駆られる。 「あ……?」 思わず、両手で乱暴に髪を掴んで、ぐしゃぐしゃにした。 「僕は、ぼく、あそこから……落ちたのに! 頭から! 地面に!」 おそらく最期の瞬間だったであろう、感覚が苦痛とともに蘇る。 体が空に浮かび、身を切るような夜風にさらされた。 肉体が地面に叩きつけられた瞬間には、耳をつんざくような不快な音がしたはず。 焦点の合わない視界で世界の終わりを見る。 瞳に映されたのは、おそらく自身から流れ出る温《ぬる》い赤い色だったのだろう。 その色がまだ、目を閉じると、まぶたに焼き付いている。 「なんで!」 止まったはずの、心臓の鼓動がうるさい。 まるで水の中にいるような気がして、耳が詰まっている。音がよく聞こえない。 叫びは、誰もいない空間に吸い込まれて、消えていく。 「なんで、僕は無事なんだよ!」 自分でも珍しいと感じるほどに、怒りの感情が込み上げてきた。 無意識のうちに、壁に拳を叩きつける。 「痛ってえ……」 痛みと、そばに誰もいない孤独感で目がうるむ。 彼は荒くなった息を整える。 ゆっくりと深呼吸をすると、気持ちが落ち着いてきた。 窓を突き抜ける、真っ赤な夕焼け空を眺める。 時間の感覚も認識も、全てがあいまいになっていたことに気がついた。 「ユリカ……」 ふと、前を向くと、屋上と室内を隔てるドアが目に入る。 「そこに、いるんだよね?」 再び階段を登りだす。 「ユリカ? ユリちゃん? いたら返事して!」 愛しい人の名前を呼ぶが、応える者はいない。 彼は屋上へと続くドアの前に立った。 手を伸ばせば、ドアノブに触れられる距離にまで近づく。 「この扉の向こうに行けば、彼女に、ユリカに会える?」 ドアノブを握る手に力を込めた。 真実を知るのが怖くて、時間稼ぎをする。 ゆっくりと重い扉を開いていく。 開けた扉の向こうに、人影が見えた。 「杉浦《すぎうら》……月下《げっか》くん?」 逆光でくっきりとした、影のシルエットに名前を呼ばれた。 「君は? 太田《おおた》……香澄《かすみ》……さん?」 夕日が照らすのは、屋上に佇む、太田香澄の姿だった。 彼女の明るく染められた髪が、太陽の光を受けて輝く。 「杉浦くんだ! きてくれた! 嬉しい!」 こちらへ手を振るシルエットの、背格好だけは彼の想い人、大沢《おおさわ》ユリカに似てはいる。 目の前の人物、香澄の髪型は、ユリカと同じく、肩につく程度のボブヘア。 元は黒髪だったのだろうか、ユリカの地毛である暗い茶色の髪よりも、明るい茶色に染められた香澄の髪は、少し傷んでいた。 見た目は似ていても、ユリカと香澄、それぞれが持つ雰囲気と声色はまるで違っていた。 彼はこのクラスメイトのことが、少し苦手だったことを思い出す。 「あー、うん。一応ね。僕、呼ばれたし」 自然と記憶が繋がり、杉浦はその場所、その相手に相応しい言葉を紡ぐ。 「……これって、走馬灯ってやつ? だとしたら最悪じゃん……」 杉浦は、誰にも聞こえない独りごとをつぶやいた。 同時に、目の前に突きつけられた現実を憂《うれ》い、浮かない顔をする。 「あのー、太田さん」 「何? 杉浦くん」 彼女の名前を口にすると、気が重くなった。 指先から、徐々に熱が奪われ、足下《あしもと》へ流れ、屋上の床に広がっていく気がする。 体中の血が無くなり、残された肉体が冷たくなっていく感覚がしてきた。 「えーっと。夕焼け、綺麗だね」 とりあえず間を持たせようと、こちらから話題を振る。 「本当だね。杉浦くんもわたしも真っ赤になっている」 香澄が微笑む。 「……うん」 杉浦は香澄へ、煮え切らない返事をする。 「——っ!」 そうするとなぜか、口の中に鉄の味が広がった。 先ほどから感じる、不快な肉体の感覚に杉浦は疑問を覚える。 「綺麗な夕焼け空——ね、杉浦くん」 目に映るのは、可愛らしい笑顔のはずなのに、どこか不気味な気がする。 杉浦は少し気分が悪くなっていた。 「あー、それで話って? 太田さん」 杉浦は胸のむかつきをごまかすように、制服の上着をグシャリ、とつかむ。 「わかっているでしょう?」 「まー、経験で何となくは」 何度か経験した、後味の悪い過去を思い出す。 向こうがぶつけてきた、一方的な好意が打ち砕かれた時、責められるのは彼自身だからだ。 「じゃあ、言うね」 くるり、と制服のスカートをひるがえし、香澄は杉浦と向き直る。 「杉浦月下くん——好きです」 そのひと言が、音として杉浦の耳に入ってきた瞬間だった。 目の前の香澄の姿が歪んで見えた——気がした。 「……っ!」 酷いめまいがして、倒れそうになるのを杉浦は必死にこらえた。 幸い、めまいは直ぐに収まる。 ぐらついた体を無理矢理おこし、体勢を整える。 「わたしと、太田香澄と、お付き合いしてください」 遠くから、部活動に精を出す、生徒の声だけがふたりの耳に届く。 屋上の空気は冷たく、宵闇《よいやみ》が迫っていた。 「無理。僕、お付き合いしてる人いるし」 杉浦は香澄の好意を、いとも簡単に切り捨てる。 「そうだよね。知っている」 香澄は意外にも、スッキリとしたようすで杉浦と向かい合う。 「えー? だったら、なんでこんな所で告白なんか……」 「誰にも聞かれたくなかったの」 気がつくと、いつの間にか夕日はすでに姿を消し、夜の闇が広がりつつある。 お互いの表情が、徐々にわからなくなっていく。 「まー、告白だしね。内緒にしたい、それはさすがに僕にもわかるけど」 彼は他人の感情の機微《きび》に鈍感だ。 それを承知の上で話を続ける。 「でもさー? 振られるって、わかっているのに何で?」 「いいでしょ。わたしはキミに、この想いを伝えたかったの」 妙に爽やかで、不自然なほどに可愛らしい、香澄の声が暗闇から浮かび上がる。 辺りにはすでに暗く、お互いの姿は景色に溶け込んでいる。 気配だけが、屋上に存在していた。 「そうそう。大沢《おおさわ》ユリカでしょ? キミのお付き合いしている相手って」 話は変わり、弾んだ声の香澄が問いかける。 「そー! 僕のユリちゃん。よく知ってるね! 僕ら、そんなに目立つかな?」 ユリカの名前を聞いた杉浦も、嬉しさで声を弾ませる。 「そりゃあ、目立つでしょう! 彼女、青い目で茶髪《ちゃぱつ》だし、名前からしてハーフとかでしょ?」 暗闇では、薄っすらとその姿と気配を感じるだけだが、香澄は忙しそうに身振り手振りで主張をする。 「違うよ。彼女、両親共に日本人なんだって。青い目はお母さん譲り」 「うっそー! そうなの?」 呆気に取られた、香澄の声が杉浦の耳に入る。 明かりのない屋上では、階下の窓から漏《も》れる照明だけが、ふたりを繋いでいた。 「んー、本人談。気持ちはわかるけど。彼女のお父さんも、若いとき? 僕らが子どもの頃のから髪の毛真っ白けっけ、だしね。僕、あの人ぶっちゃけ苦手」 「詳しいね」 「まー、付き合い長いし。幼稚園からの腐れ縁だよ」 言いながら、杉浦はひらひらと、闇をかき混ぜるように手を振る。 「ふうん」 香澄はそれには興味がない、つまらない、と言いたげな、素っ気ない返事をした。 それに気がつかない杉浦は、さらに話を広げる。 「太田さん? もしかして。ハーフとかって、彼女のいとこ、ルカと勘違いしてない?」 少し疲れてきたので、杉浦は闇の中で両腕を組む。 片足を軽く上げ、重心を変えた。 「ルカ? 学園始まって以来の秀才、斉藤《さいとう》瑠加《ルカ》くんのこと? キミの友達でしょ? よく一緒にいる」 香澄は不自然なほど当たり前に、杉浦の交友関係を把握していて、話を進める。 「はー、よく見てんだね。びっくり」 「だって、わたし、好きな人のことは全部知りたいもの」 香澄のその観察眼に、杉浦は関心と恐れを抱く。 「僕とルカはいわゆるズッ友だよ。お互い人生で初めての友達」 杉浦は自慢の親友について、得意げに話しだした。 「彼はお爺ちゃんがドイツ人。そっちと混ざってるかもね」 「へえ。そうなんだ。だからあんな、ビカビカ派手ハデ金髪メガネ……」 「うん。ふたりはお母さん同士が双子の姉妹。だから、いとこ」 「そうなの。解説ありがとう」 やはり、香澄は杉浦以外のことには興味は湧かないようだ。 今度は香澄が杉浦に話題を振る。 「よく三人《さんにん》でいるし、目立つよね。あと、キミ身長いくつ?」 「えー? 百、八十、超えたくらい?」 「やっぱ、大っきいよね。格好いい! 長身、艶々《つやつや》長めの黒髪に、整ったルックス! 耳からたまに覗くバチバチのピアス! ついでに指先はキラキラネイル! こんな強《きょう》キャラ、目立つしかないでしょう!」 興奮気味に香澄がまくしたてる。 そのようすに杉浦は、気圧《けお》されてしまう。 「うー、うん? そうかも。ピアスは、いっぱい着けるの好きなだけで。完全に僕、個人の趣味だけど。爪は、満月《みつき》ちゃ……姉の趣味」 香澄のペースに飲まれまい、と杉浦も必死になる。 「あー、あと僕、爪噛むクセが出てきちゃったから、強制」 「そうなの? わたし、杉浦くんのそんな姿、見たことない」 「えー? だって僕、普段は必死に我慢してるから」 言いながらも、杉浦の指先は、自然と口元に触れる。 歯と爪が重なる、固く、冷たい感触が心地よい。 「んー? 僕の爪噛み癖はここ半年くらい? それまでは全然なかったのに……変なの」 ふと、夜空に輝く星が目に入る。 なぜ自分はこんな所にいるのだろう、目の前の相手はどうしてこんなにも自分に対して好意的、興味津々なのだろうか。 そんな疑問が浮かぶ。 「——杉浦くん!」 しかし、その疑問は続かず、香澄の声で完全にかき消されてしまった。 矢継ぎ早に香澄が問いかける。 「半年? キミの爪噛み癖は、今年の春くらいから? 急に?」 「んー? そうかも?」 頭がボンヤリして、上手く考えがまとまらない。 杉浦は流されるままに、香澄と会話を続ける。 「今年の春……キミ、その前はそんなに派手な見た目じゃなかったよね?」 「まー、僕も思うとこは。髪も今よりは短かったし? ピアスもしてない、爪も素《す》だったからね。変わらないのは身長ぐらい? 言われてみれば、前は普通だったかも」 「あと、杉浦くん。ここ半年で、すっごい痩《や》せた? 違うよね、窶《やつ》れた?」 「あー。色々あって。ちょっと、《《それ》》については触れないで」 「……《《それ》》って、『赤い死神』の噂と関係あったりする?」 次々と香澄の質問の波が押し寄せる。 その波に流されまいと、杉浦は必死に考えを巡らせる。 しかし、脳が考える、そのことを拒否しているように、思考が追いつかない。 「え?」 「——赤い死神——」 杉浦は、香澄の発した単語の意味が飲み込めなかった。 「あかい、しにがみ?」 気を抜けば、空気が抜けて萎《しぼ》んでいく風船のようになってしまう、そんな不思議な感覚がした。 「え? なに?」 杉浦は必死に意識を保とうとする。 この世界にしがみつこうと、思わず頭を振った。 耳元を飾る、ピアス達が小さく音を鳴らす。 それはまるで、彼の萎んで消えそうな気持ちを、鼓舞《こぶ》するようだった。 「——都市伝説、『赤い死神』。それは赤いベールをその身に纏《まと》い、夜の街を彷徨《さまよ》う——」 どこかで聞いたような、今初めて聞くような、あいまいな噂話を、香澄は朗々と語る。 「赤い死神は杉浦くん、キミでしょう?」 香澄は杉浦の腰ベルトに付けられた、ループから伸びる、赤いベールを引っ張る。 「わっ! なにするんだよ! やめろ!」 杉浦の語気が思わず荒くなる。 「やっぱり! キミがそう! 赤い死神!」 香澄の迫る勢いで、杉浦は体勢を崩されてしまう。 ふたりは、屋上の硬い床に倒れこんだ。 「痛っ!」 杉浦の苦痛に反応し、香澄はわずかに口元を上げる。 まるで彼の変貌に、この上ない喜びを感じているようだった。 彼女の表情に、底知れぬ狂気を感じてしまい、杉浦はたじろいでしまう。 「赤い死神、《《これ》》がその証拠でしょう?」 香澄は杉浦のベルトループから伸びる、赤いベールを流れるように、もて遊ぶ。 暗闇でもその輝きと煌めきを失わない、赤いほうき星は、まるで杉浦を空の彼方に誘い出すようだった。 「……そうだよ」 観念した、とでも言いたげな、苦しげな顔を杉浦は浮かべる。 その表情のまま、香澄から赤いベールを奪い取る。 ベルトループから赤いベールを外す。 そのまま、自分の身を守るように、口元から胸にかけて広げて覆った。 「やっぱり!」 歓喜に包まれた、香澄の声が屋上に響き渡る。 「——わたしが好きになったのは、キミが『赤い死神』だと思ったから——」 甘い誘惑が迫る。 倒れた杉浦に香澄は覆い被さり、耳元に唇をよせる。 あっという間に、悪魔の囁きに心を支配された。 「僕が、その赤い死神だとしたら……君は僕に、どうして欲しい?」 赤い死神がベール越しに悪魔へ囁く。 「赤い死神に気づいてしまった者は、死ぬ。そうでしょう?」 輝く星空を背景に、悪魔は死神を誘惑する。 「わたしはキミが好き、でもキミはわたしを好きじゃない。だから——」 死神は悪魔にベールを剥がされる。 隠された口元があらわになった。 そのままふたつの唇が、冷たく、音もなく、重なり合う。 「わたしを奪って」 甘い口づけを交わした唇と同じ口が、呪詛を吐く。 「…………」 死神は沈黙で応え、その呪いの言葉を引き受けた。 「これは契約! わたし、太田香澄と! キミ、杉浦月下! ふたりだけの秘密!」 歓喜と興奮の渦のなか、目の前の悪魔は悦に入《い》る。 「赤い死神はわたしを奪う! この命を、永遠にその手に抱《いだ》くの!」 悪魔は死神に覆い被さり、その距離を詰める。 「大沢ユリカは! キミが! 『赤い死神』であることを知らない!」 熱を持った吐息がかかる。 ふたりはお互いに溶けあい、ひとつになりそうなほど近くで寄り添っている。 「これは! わたしの勝利宣言!」 狂ったような笑い声が辺り一面を支配する。 「わたしは! 大沢ユリカに勝った!」 「…………」 死神はなにも語らない。 「あははっ! さあ、簡単なことでしょう? その手を少しだけ、空に——」 空と同じ、暗い色に彩られた大きな指先と、白く、細い指先が静かに絡み合う。 操られた暗い指先は、柔らかな首元に触れ、当てられる。 「夜の星々を掴むだけ——」

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カクヨム2026/01/27
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