あらすじ
筆頭公爵家の娘バイオレットは、幼い頃から王太子の婚約者として、国の政務や財務を一手に引き受けてきた。
しかしある日、王太子から「インク臭い手をした可愛げのない女より、無邪気で可愛い男爵令嬢のほうがいい」と婚約破棄を言い渡され、国外追放されてしまう。
すべてを失ったバイオレットに手を差し伸べたのは、北の辺境を治める『氷の魔公爵』ことフェリクスだった。
冷酷無比と噂される彼だが、実はバイオレットの仕事ぶりをずっと尊敬しており、不器用ながらも彼女を全力で甘やかしてきて……?
「君の手は美しい。この手が国を支えていたことを、俺だけは知っている」
これは、愛を知らない仕事人間だった令嬢が、北の大地で幸せになり、彼女を捨てた祖国が勝手に破滅していくのを遠目に見守る物語。