あらすじ
世界各地に突如出現した巨大な“穴”。
そこから溢れ出した異界の力は文明を崩壊させ、
人々は魔法を「神の奇跡」として恐れ、崇めるようになった。
だがその力の正体は、救済ではなく侵食。
使うほどに心と身体を削り、人を“怪物”へと近づけていく。
スラムで起きた謎の魔力暴走事件をきっかけに、
ひとりの少年が「災厄」として追われることになる。
彼を処分するはずだった処刑人。
秩序を守る教団の司教。
奈落の真実を追う学者。
そして、まもなく人でなくなることを知る聖女。
それぞれの正義、それぞれの恐れ、
それぞれの「それでも守りたいもの」が交差するとき、
世界の真実と向き合う物語が動き出す。
これは、世界を救えないかもしれない人々が、
それでも誰かの痛みを背負おうとする物語。
――絶望の底で、それでも人は灯る。