あらすじ
王城の最奥にある宰相執務室は、国一番のゴミ屋敷だった。
貧乏男爵令嬢のルシアが配属されたのは、誰もが恐れる魔窟。
そこにいたのは呪いの煤にまみれ、黒い塊となった宰相クラウスだった。
けれどルシアにとって彼は恐ろしい魔王ではない。
ただの掃除が必要な汚部屋の住人にすぎない。
彼女はためらいなく窓を開け放ち、洗剤とブラシで宰相をゴシゴシとこすり洗いする。
すると呪いの下から現れたのは、国宝級の美貌を持つ青年の素顔だった。
汚れが落ちて憑き物が落ちた彼は、ルシアに依存し執着し始める。
君がいないとまた汚れてしまうと縋り付いてくるのだ。
ルシアの持つ洗浄スキルは物理的な汚れにとどまらない。
貴族たちのドロドロした陰謀も、ベタつく悪意も、すべて拭き取り漂白してしまう。
彼女の前ではどんな嘘も隠し事も、ただのシミとして処理される。
綺麗になりすぎた宰相と、掃除しか眼中にないルシア。
二人が磨き上げる国の未来は、果たしてどれほど輝くのか。