あらすじ
長崎県諫早市・伊木力。江戸時代、大村湾を望む急斜面に植えられた一本のみかんの苗から、この地の物語は始まった。人を寄せつけない斜面、潮風、痩せた土――不利な条件は、やがて伊木力みかん特有の甘さとコクを生み出す力となる。
時代が進み、高齢化と人手不足により産地は存続の危機に立たされる。三代目農家・山野を中心に、若手五戸が集まり結成された「はなまる果樹園」。彼らは効率よりも正直さを選び、自然と向き合い続ける。
害虫や長雨に悩まされた2025年、完璧ではない出来の年でも「ありのまま」を届ける決断を下す。その一箱を手に取ることが、伊木力みかんの未来をつなぐ参加になる――斜面と人が紡ぐ、静かな挑戦の記録。