あらすじ
魔王を討ち、世界を救った勇者。
その偉業の裏で、彼を導いた予言者の少女――リーネは処刑された。
理由はただ一つ。
「未来を知りすぎた者は、世界の秩序を乱す」から。
死の瞬間、リーネは三年前へと回帰する。
勇者と出会う前、運命がまだ動き出していない時間へ。
二度目の人生で彼女は知ってしまった。
魔王を倒したあと、勇者は“英雄”として人々に消費され、
理解されない孤独の中で心を壊し、世界を滅ぼしてしまう未来を。
だから彼女は決める。
――今回は、勇者を導かない。
――英雄にもしない。
選んだ役目は、戦えない最弱職《記録係》。
剣でも魔法でもなく、言葉と沈黙で歴史の裏側に立ち続ける。
これは、
勇者の隣に立たなかった少女が、
ただ一人の人間を理解し続けた結果、
世界が“二度目の救済”を迎える物語。