あらすじ
すべてを失った空っぽの少年エルムは、賞金稼ぎをしながら世界中を旅しているという魔導剣士・ジェネラスに拾われた。
たどり着いた秘境の街。そこでエルムは、高い塀に囲まれた神殿から逃げ出してきた少女、アイラと出会う。
「アイラ――それは古い言葉で《自由》という意味なの」
明日には神の依代(クリスタルシャリム)として、二度と外界へは出られぬ身となる彼女。
エルムは声の出ない喉で、それでも彼女と心を通わせ、街を駆け、束の間の「自由」を共有した。
しかし、無情にも祭礼の日は訪れる。
聖域へと消えゆくアイラ。
諦めの中に沈む師匠。
しかし、エルムの心には灯がともっていた。
これは、声を失った少年が、たった一人の少女を救うために「心の傷」を乗り越え、魂でその名を呼ぶまでの物語。