あらすじ
『お前は、権力を得るための"お飾りの玉座"でしかない』
婚約者からの非情な一言で全てを悟った蜀漢の皇女・劉玉蘭は、婚約を破棄し、反逆の咎で南の果て・建寧郡へと追放される。
だが、神の血を引く赤髪の皇女は、絶望の地で終わる器ではなかった。
皇女のプライドを捨て、泥にまみれ、民と共に汗を流す。父が遺した古文書の知恵と、自らの不屈の魂を武器に、荒れ果てた辺境を誰もが羨む豊かな楽土へと変貌させていく。
その類稀なる才覚と太陽のような輝きは、やがて三国を代表する三人の英雄を惹きつけ、その運命を狂わせていく。
――不器用ながらも、ただひたすらに彼女の剣であろうとする忠義の将軍【姜維】。
――彼女の才覚を『我が国の宝』と呼び、自らの知略の庭に囲い込もうとする冷徹な天才丞相【諸葛瞻】。
――彼女にだけ自らと同じ『魂の光』を見出し、大陸の覇道を共に歩むことを渇望する魏の危険な野心家【鍾会】。
彼らの激しい愛と野望、そして謀略が渦巻く中で、玉蘭は自らの手で運命を切り開くことを決意する。
これは、歴史に埋もれた一人の皇女が、英雄たちに愛され、悩み、そして世界を動かすに至る、もう一つの三国志の物語。