あらすじ
殺して、奪って、強くなる。そんな世界の『正解』から、俺は弾き出された。
……
全生物が心臓に宿す魂の核――『魂核(ソウルコア)』。
生物を殺せば、砕けた魂核は光となって勝者の魂核へと溶け込み、万能の「魂力(ソウルエナジー)」へと昇華される。
魂力を宿した「適性者(アデプト)」が、「魂術(ソウルアーツ)」を振るい、栄光を掴む世界。
だが、奴隷の少年・ミロクは、魂力を一切蓄えられない「非適性者(レイン)」だった。
どれほど魔族を殺そうと、奪った光は力を与えることなく霧散し、魂術という恩恵に触れることさえ叶わない。
代わりにミロクが得るのは、喰らった魔族たちのドロドロとした「生前の記憶」という、脳を焼く呪い。
ただでさえ不遇なミロクに対し、世界はさらなる絶望を彼に強いる。
魔王討伐遠征軍の戦いの果て、ミロクは魔王城の地下、生還不能の深淵「奈落」へと落ちることとなる。
――そこで待っていたのは、魂核となって彷徨う【魔王】だった。
これは、ある一人の「奴隷」が、身に宿した災厄と共に成り上がる――絶対的蹂躙の物語。
世界は知らない。
【最凶の魔王】が今もなお、少年の中で生きていることなど。