あらすじ
「愛することはない」——結婚初夜に宣言されたその言葉から、リーゼロッテの地獄は始まった。
『氷の公爵』と恐れられる夫ヴィクトルに空気のように扱われ、屋敷の離れに追いやられた三年間。社交界では嘲笑され、義母には蔑まれ、夫の傍には常に別の女性が寄り添っていた。
それでも実家のため、兄のために耐え続けた彼女だったが——「妻とは名ばかりの存在だ」という夫の言葉を聞いた瞬間、心の糸が切れた。
「離婚届です。ご署名を」
突きつけられた紙を前に、初めて表情を崩す『氷の公爵』。名前すら呼ばなかった夫が「リーゼロッテ」と呼び、椅子を蹴倒してまで引き止める。
けれど、もう遅い。
「私が決めたのです。——あなたを、過去にすると」
三年間の沈黙を破り、自らの意志で檻を出た令嬢。そして、妻を失って初めて『壊れた』公爵。
すれ違い続けた二人の運命は、離婚届から始まる——。
※溺愛に目覚めた旦那様の後悔と執着、そして再生の物語です