あらすじ

魔王メディウスは重鎮ルギ=アンテ、ダークエルフのミレージュラと共に勇者一行を撃破し、繰り返されてきた人類との戦争における敗北の歴史に初めて終止符を打つ。 聖光騎士団の残党がいるとの報せを古参の部下ヴェルネスから聞き、面倒くさがりながらも騎士団領の都市ヴァインハイムへ同道するメディウス。廃墟同然となった町で、彼は地下室に匿われた人間の赤子を拾う。 「いくら人間でも赤子じゃ殺すのは気の毒だ。成長するまで独房にぶち込んでおけ。適齢期になったら処刑人に殺させろ」 魔王城へ赤子を連れ帰ることとなるメディウス。病気のため子作りが禁じられている妻レイナーリアは赤子を見るなり「まあ、可愛い」とほっこり。 「ねえ、あなた。この子、私たちで育てるというわけにはいかないかしら」 彼女としては反対されるのを覚悟での提案であったが、「うん、そうしよう」とメディウスは予想外の反応。部下たちの反対を(権力を武器に強引に)押し切り、二人で赤子を育てていくことを決意する。 魔族の古代語で「光」を意味する「シタル」と名付けられた赤子は驚くべき剣技と魔法の才覚を発揮しながら、メディウスとレイナ―リアの愛情を受け、すくすく育っていく。 やがてレイナーリアは病が悪化し、逝去。 それから数年後、シタルの胸元に不思議なアザが発現していることを知るメディウス。ヴェルネスに調べさせたところそれは「聖導斑」と呼ばれるもので、勇者の血を引くの中に数千年に一人現れるとされる神の力の証であった。 勇者の一族の末裔であり、数千年に一度の神の子――シタルの真実を知るメディウスであったが、「処刑を」という古参の部下たちの意見を撥ねつけ、娘として育て続けることを決める。 さらに、数年――シタルは十四歳。水色の髪と藍色の瞳を持つ美しい少女へと成長を遂げていた。 「オトン! シタル、旅に出るね! 世界が呼んでる気がするの! シタルおいでって、そう言ってる気がする!」 ――こうして魔王であることを隠しながらの父と、勇者の血筋であることを隠された娘との旅路は始まった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/01/26
  • 現在の作品魔王、父になる