あらすじ
アルヴェルト公の軍勢が城へ進軍しているとの報がもたらされる。
兵だけでなく民をも巻き込みかねない戦場――グラート山北坂。
団長が夜襲を提案する中、リオネルはそれを退け、
「迎撃しない」「城門を開く」という決断を下す。
正午、軍勢は城下に布陣するが、剣は抜かれず、城は開かれた。
アルヴェルト公は武力ではなく“正統性”を盾に王へ迫り、
内戦か王族殺しという二択を突きつける。
その膠着を破ったのは、縄を手にしたリオネルだった。
彼は人を縛らず、「時間」を縛る提案をする。
三日の猶予――民の前で正当性を示し、選ぶのは国民自身。
戦は回避されたが、答えはまだ出ていない。
これは、勝者のいない進軍の始まりだった。