あらすじ
地獄は、選ばれた者だけが落ちる場所だと思っていた。
踏み抜くまでは。
支配する者・壊す者として君臨していた男――ミュシャ。
彼の世界は、秩序と狂気で完璧に組み上げられていた。
その中心で“壊される側”だったはずの私、ジュリアンヌは、
ある日ただ一度、選択を誤る。
――壊れなかった。
その結果、ミュシャは死なず、救われもせず、
生きたまま完成しない存在として取り残される。
私は英雄にも悪役にもならない。
誰にも選ばれず、どこにも属さず、
それでも世界を一歩だけ踏み抜いてしまった。
これは、
ざまぁでも断罪でもない。
救いがあるのに、戻れない物語。
地獄を越えた先で、
それでも「名を持って立ち続ける」
一人の女の話。