あらすじ
夜に逃げることでしか自分を保てなかった「私」は、ある夜、凪という女性に出会う。彼女は救いを語りながらも、かつて同じように壊れ、夜に沈んだ過去を抱えていた。
凪との対話を通して、「私」は人は救われた方法でしか他人を救えないこと、そして救われなくても生き続けることはできるのだと知っていく。しかし凪は朝の世界には戻らない存在だった。
彼女の不在を受け入れながら、「私」は今日を壊さないという小さな選択を重ねていく。
これは、救済でも再生でもなく、夜と朝のあいだで壊れきらずに立ち続ける一人の姿を描いた物語。