あらすじ
父が選んだ人と、よくある政略結婚をした。相手は年上の軍人で、わたしに「この結婚は、僕があなたのお父上の後ろ盾を得るためにお願いしたものです。そのために、あなたに初対面の男との結婚を強いてしまったことを謝罪させてください」と頭を下げた。
軍の仕事で、ほとんど家に帰って来ない夫は、ある時「しばらく帰れない」と言伝を残して音信不通になった。叔母から聞いた、『軍に勤める者を伴侶にしたら、先に墓石を用意しておけ』という古い言葉を思い出したわたしは気づく——もしかして、夫はもう生きていないのではと。
同じ頃、王都では高位貴族の令息たちが一人の男爵令嬢の取り巻きと化す事態が発生し、社交界を混乱に陥れていた。
夫は殉職したのだと諦めた妻と、任務で家に帰らなかった結果、妻に墓をつくられてしまった夫の話。
【25/7/18 誤字報告ありがとうございます。順次訂正中です】