あらすじ
目を覚ました“僕”は、いつの間にか見知らぬ列車の終着駅に立っていた。
無表情な乗客たちに倣ってホームへ降りると、そこには行き先の読めない特別急行列車の案内が掲げられている。
何の疑いもなくその列車に乗り込んだ僕は、指定された座席に座り、無機質な検札とともに「到着は3日後」と告げられる。
やがて列車が走り出すと、車内にはどこか懐かしいオルゴールの旋律が響き――。
不意に届いた一通のメッセージをきっかけに、僕は“名も知らない誰か”とチャットを交わし始める。
しかし、列車が到着へ近づくにつれ、僕の中の曖昧だった何かが少しずつ輪郭を持ちはじめていく。
これは、忘れられた名前と、届かないはずの想いが交差する――
“到着間際”の小さな物語。