あらすじ

世界は、あまりに眩(まぶ)しすぎる。 誰かが誰かを想うこと。何かに熱狂すること。 街に溢れる「正しくて誠実な熱」は、閑瀬 砂良(しずせ さら)にとっては、ただ眩暈(めまい)を誘う重力でしかなかった。 そんな砂良の隣には、いつも浮空 依夜(うきそら いよ)がいる。 重さを持たない、風のような少女。 猫舌で、指先がひんやりと冷たくて、何にも名前をつけたがらない彼女。 恋人でも、親友でもない。 ただ、互いの熱を編み、凪(なぎ)を共有するだけの、不確かで絶対的な関係。 これは、眩しい日向(ひなた)に馴染めないふたりが、 深い水底で正しく息をするための、八つの断片。 「――やだ。このままがいいから」 誰も知らない水底で、私たちは今日も、心地よい冷たさを分け合っている。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/01/25
  • 現在の作品凪いだ水底に、熱を編む