あらすじ
主人公たち
HOLLAND(桐谷ハル)
•音楽学校卒だが、プロデビューはできず
•「正しいコード」「正しいハーモニー」は分かるのに、感情が乗らない
•MDMC事故の報告書を偶然読み、
*“失われたハーモニーが夢に出る人間”*として自分を自覚し始める
•夜の高速道路でしか曲が書けない
ROSE(西園寺ロゼ)
•元・アートスクール生/鍵盤と歌は独学
•音楽を“色”として捉える共感覚を持つ
•曲を作る前に、必ずカラーパレットが決まる
•MDMC事故以降、自分の感情の色が「誰かと重なる」感覚に戸惑っている
あらすじ
夜が終わる前、
まだ朝にならない場所で、
音楽は静かに始まった。
2050年のMDMC事故によって、
世界には無数の“音楽DNAの残響”が散らばった。
だが、それらは派手な奇跡としてではなく、
都市の片隅に残る微かな感覚として現れていた。
ネオンに照らされた夜の都市。
地下スタジオ〈ROSEHALL〉で出会った
二人組ユニット Holland Rose は、
誰かを驚かせるためでも、
時代を変えるためでもなく、
ただ「同じ場所から世界を見る音」を鳴らし始める。
囁くような歌声と、
呼吸を整えるようなコード。
アルゴリズムにも、流行にも選ばれないまま、
それでも確かに誰かの夜に届いていく音楽。
十三人だけが集まった小さな初ライブ。
名前が“仮”でなくなる瞬間。
都市が気づかないまま記憶してしまった、
十三人分の夜。
これは、
成功の物語ではない。
恋の物語でもない。
夜の使い方が、
ほんの少し変わってしまった人たちの物語。
やがて訪れる“夜明け(DAWN)”の前、
ROSEHALLに残された音と沈黙は、
次の都市へ、次の物語へと静かに引き継がれていく。
——夜が終わる前に、
あなたの呼吸と重なる音が、
きっとここにある。