あらすじ
「君との婚約は破棄する。
新しい時代には、君はもう不要だ」
そう告げられ、王太子アドリアン・ルクレールから一方的に婚約を破棄された令嬢
エルミナ・ローゼンベルク。
だが彼女は、泣き崩れることも、復讐に走ることもなかった。
「……では、私は去りますわ」
エルミナが王都を離れた後、王国は初めて“彼女なし”で歩き出すことになる。
判断を与えられない会議。
正解のない制度改革。
責任を押し付けられない決断。
そして、過去の曖昧な判断と向き合う現実。
かつて「優秀すぎる令嬢」に支えられていた国は、迷い、揺れ、失敗しながらも、少しずつ自分で考える国へと変わっていく。
一方エルミナは、顧問にも女王にもならない。
助言も、指示も、与えない。
ただ――
自分がいなくても国が続いているかを、静かに見届けるだけ。
これは、
声高に叫ばない“ざまぁ”と、
誰かに依存しない“成長”を描いた物語。
答えを与えない令嬢と、
答えを探し続ける王国の、
静かで、確かな再生の物語。