あらすじ
「国葬……? おれ、いや、私がですか……?」
思わず声が裏返った。昼間、アパートの部屋で安い菓子をつまみながらワイドショーをぼんやり眺めていたところ、インターホンが鳴った。ドアを開けると、スーツ姿の男が二人、背筋をまっすぐ伸ばして立っていた。
男たちは政府関係者を名乗った。名刺を差し出され、反射的に受け取った。それから「上がってもよろしいですか?」と尋ねられ、「まあ、はい」と答えて部屋に通した。
向かい合って床に座ると、二人同時に口角を上げた。おれも笑みを作ろうと口元を緩めたその瞬間、二人ともすんと表情を戻した。そして、わずかな沈黙のあと、男たちは国葬について話し始めた。
てっきり、政府のお偉いさんが死んで、国葬をするかどうか、その是非についてアンケートでも取っているのだと思った。しかし、違った。なんと、死後におれを国葬するというのだ。