あらすじ

職場で他人の不機嫌や悪意に晒され続け、心が摩耗してしまった元看護師のミア(30)。 そして、新卒で入った職場での執拗ないじめにより深い傷を負い、その記憶から逃れられずに死にたいと思い続けていた那津弥≪なつや≫(26)。 二人はSNSで出会い、「最高の方法で死ぬ」という、誰にも言えない約束を交わす。 待ち合わせの地は北海道。 最果ての海へ身を投げるための、片道のドライブが始まった。 道中、二人は触れないままにしていた互いの過去を少しずつ語り出す。 ミアは、母を看取ったあの日々の静かな美しさと、その後に戻った職場で感じた“人間の濁り”との落差に耐えられなくなったことを語る。 那津弥は、逃げ場のない職場で心を削られ続け、自分という存在が世界から消えてしまえば楽になれると願ってきたことを打ち明ける。 母を看取った経験のあるミアはある時、ふと気づく。 隣に座る那津弥はまだ温かくて呼吸をしていて、もし海に飛び込めばこの体も、この声も、二度と戻らないのだと。 その事実が胸を刺し、「そんなのは嫌だ」と思ってしまう。 ミアは道中で見つけた小さな家の前に戻り、那津弥に「ここで一緒に暮らそう」と提案する。 はじめは戸惑っていた那津弥も、ミアとの関係性の中に自分がまだ生きていける可能性を見つける。 二人は最後に死ぬはずだった海を見に行った。 飛び込んで死ぬはずだった、美しく光り輝く海。そこで二人は、社会の中で生きるためにかぶっていた「上等な人間の仮面」を投げ捨て、自分は自分として生きていこう、と誓うのだった。

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小説を読もう2026/01/25
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