あらすじ
成宮大輝は男女比1対5の世界に産まれて、心の底から世界を呪っていた。
それは何故か?
普通に多数派を占める女の子達から痛い目や怖い目にあわされてきたからだ。
しかも、タチの悪い事に男女比がおおよそ1対1だった前世の記憶などあったせいで、初手をミスったのも大きい。
散々親から気を付けろと言われていた為、周りの同姓の子達は固まって女の子を警戒していた。
それを尻目に、幼稚園児なんだからと気安く挨拶なんかしたのが運の尽き、女の子達による力での大輝の争奪戦が始まってしまう。
結果は、両腕と右足の脱臼と言う散々なものだった。
ぶっちゃけ前世で独り身だった大輝は幼児の考えなさを舐めていたのだ。
勿論例外的に大人びている子だっているが、それは文字通り例外だ。
体も心も幼い上に当然経験も少ない訳で、何をやっていいか悪いのかの判断が先ずついていない。
やっちゃダメだと言われてその瞬間は理解していても、ちょっと別の事に気を取られたらもう忘れている。
感情のコントロールもまさにこれから学んでいく最中だ。
となれば、初日ほどの騒動は無かったものの、大輝は脱臼に骨折を何度したか分からない。
自分の迂闊さを呪ったし、そりゃ他の男子から敬遠されるし、人身御供にだってされるだろう。
だって、大輝から勝手に女の子達の興味を一心に奪っていったのだから。
これが小学校中学校に上がっていくにつれ、暴力だけじゃなく陰湿な精神的な攻撃すら始まってしまう。
大輝が原因で大喧嘩や虐めが発生した事数知れず、ストーカーなども日常茶飯事で、自宅以外どこにも安心できる空間などなかった。
一応男性保護課から男性保護官が小学生から付いてくれているのだけど、最初のおばちゃん保護官にはセクハラを日々受け、次の美人の保護官には誘拐されそうになり、3人目の保護官でやっとまともな人っぽい人が付いてくれたのだけど、この時点で同年代だけじゃなく大人の女性にもしっかり恐怖を抱くようになってしまったのだ。
ぶっちゃけ、大輝は女性が多い世界は男の理想なんて思っていたけど、そう思う奴が居たら頼むから今すぐ変わってくれと願っている。
もし叶う事なら家に引きこもりたいくらいだった。
が、それは叶う事はない。
何故なら、男性は色々と保護される代わりに義務も発生しているからだ。
学校に通わないのなら、男性だけの訓練施設に行かされるのだけれども、そこではひたすらに性に関する訓練を受ける訳で。
要は、とにかくヤル事をヤラされるって訳だ。
ちなみに、それすら出来ないのなら自由になる訳じゃなく、待っているのは人間扱いされない物としての人生となる。
これでもかなり男性の人権が守られてきているらしく、大輝がもう少し早くこの世界に産まれてしまっていたら、それこそ男の人権? なにそれおいしいの? とばかりの時代もあったそうだ。
つまり、逃げ場はない訳で。
辛い目にあいながらもなんとか中学校を卒業し、高校へ強制的に上がらされる事になったのだが。
ここで大輝に対して国からの強制執行令が届いてしまう。
その内容は――『中学までの社会貢献度が著しく足りない為、以下の内容から必ず1つ実行する事」などと言った書類が届いたのだ。
その内容とは、1つ大輝が進学する高校で相手のいない女子全員の性の相手をする事――こんな事やったら死んでしまう。
1つ、男子訓練高校への転向――訓練校に行かされないために嫌々ながら中学まで通ったのがパーだ。
1つ、レンタル彼氏として、不特定多数の女性達とデートをする事。なお、3年間で最低5人は婚約者となる事――まるで最初からこれに誘導するかのように、報酬までも詳細に乗っている。
最後に、全て断る場合は男性保護官にその旨を伝えるようにだけ記されていた――これを言ったが最後、人としての生が終わり物としての生が始まってしまう。
結局大輝には逃げ道などなく、現役高校生レンタル彼氏としての生活が始まってしまうのだった。