あらすじ

放課後のテニスコート。
打球音の合間に、将太はいつも、美術室の窓際に差す「光」を探してしまう。
そこにいるのは、キャンバスと向き合う二年生の間城先輩。
静謐な空気の中で筆を動かす彼女の姿は、テニスに明け暮れる将太にとって、眩しすぎるほどに鮮烈な憧れだった。

そんな将太の視線に、誰よりも早く気づいたのは菜奈だった。
プールで、真っ直ぐな「青」を切り裂いて泳ぐ彼女は、塩素の匂いに紛れるようにして、胸の奥に生じた小さな揺らぎをやり過ごす。

菜奈の実家の和菓子屋『三日月堂』で幼馴染と過ごす時間は、これまで通り、何も変わらないはずだった。
けれど、将太の瞳が「光」を追うたびに、菜奈の真っ直ぐな心には、名前のつかない波紋が広がっていく。

走り続けるテニスコートの熱と、静まりかえった美術室の色彩。
そして、プールの水底で揺れる、誰にも言えない想い。

それぞれの「好き」が、静かに、けれど確かに、動き始める。

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アルファポリス
アルファポリス2026/01/25
  • 現在の作品青の季節に、君のまなざしを識《し》る。