あらすじ
二十首連作、追加のお題2つのうちの二つめは同じ見えない何かでも「神」。人類が時に創り出したり、縋ったり、利用したり、喩えたりする「神」について詠ってみました。
<詠んだ想い>
1首目。通信手段もなく、言葉もそれぞれに異なる中、人類は各地で等しく一様に神という存在を創り出した。誰も見たことがないのにである。またそれでいて、それぞれの土地土地で異なる神が生まれたのは興味深い。
2首目。自分もそうであるが、普段、信心深くないのに、受験や愛の告白など、一心不乱に神に自分の想いが通ずるよう祈り縋る心の様子を詠ったもの。
3首目。たまに、もうこれは、勝利の女神が付いているのだろうと思う、スポーツや将棋などの奇跡の逆転劇を詠ったもの。
4首目。平和を司るのが神であるはずなのに、なんと神の名を語った戦争が多いことか!一番嘆き悲しんでおられるのは神ご自身であろう。落命されたご本人やご家族にも祈りを捧げたい。
5首目。アダム・スミスの神の見えざる手。結局は、いろいろ経済介入施策が行われるものの、最終的には、需給のバランスにより、どの施策やイデオロギーをも超えて、絶妙なるバランスに保たれていく様を詠んだ。
6首目。ラグビーなど、神の配剤かと思うほど、個性豊かで、また欠かせないキャラクターを有している応援するチームの様子を詠んだ。
7首目。科学史を遡ると、かつて人間は分からないことは全て神のなせる業として片付けてきたが、天体の軌道や進化論、量子力学など、それまで神のなせる業や常識とされてきた物事に対し、観察と考察を加え、かつ、宗教裁判などの圧にくださることなく真理真実を追究してきた勇気の歴史であることに思い至り詠んだもの。
8首目。バッタリと街で出会ったりする不思議な縁を詠んだもの。
9首目。誰が教えたわけでもないのに、生まれた瞬間から、ママのオッパイをまだ目も啓いてないのに、一生懸命にその嗅覚と口の感覚だけで見事にさぐりあて、これまた教えてないのに、上手にチュウチュウ吸う様を詠んだもの。神さまによる特別事前授業を受けてるんだろうな、きっと(笑)。
10首目。やはり、宇宙や生命、意識など万物の起源を考えるとき、人は神の存在を思わずにはいられない。その気持ちを詠んだ。