あらすじ

二度目の人生も休日ゼロだった。 前世は過労死した経理OL。 転生先は借金まみれの没落男爵家の一人娘。 王宮書記局で十年間、朝は誰より早く夜は誰より遅く働き続けた。 手柄は上司に奪われた。 昇給は三年も止められた。 それでも歯を食いしばれたのは借金を返すためだった。 完済した翌朝、エステルは一枚の古い条文を差し出す。 誰も覚えていない宮廷規則。 廃止もされていない休暇制度。 前世の知識がなければ探そうとも思わなかった切り札。 却下しようとした上司は法の前に沈黙するしかなかった。 辺境の温泉地で始まる人生初の休暇。 朝寝坊と焼き菓子と夕焼けだけの日々の中で隣にいたのは 名前も身分も知らないまま毎朝同じベンチに座る無愛想な青年だった。 エステルが温泉を楽しんでいる間に王宮では全てが止まり始める。 帳簿は合わなくなり外交書簡は届かなくなり 十年間隠されていた不正が静かに水面へ浮かび上がっていく。 ただ休んでいるだけなのに誰かの嘘が崩れていく。 あの青年はなぜ休暇先で毎日書類を読んでいるのか。 そしてエステルの十年間を本当の名前で呼んでくれる人は現れるのか。

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小説を読もう2026/02/17
  • 現在の作品社畜令嬢は有給休暇をご所望です!