あらすじ
2026年、夏。沖縄に帰省した眞栄田太陽(26)は、実家の自室で一冊のアルバムを見つける。そこには、17歳で逝った恋人・山本亜季の、眩いばかりの跳躍が収められていた。5歳になる息子・海にせがまれ、太陽はこれまで心の奥底に封印してきた「あの夏」の物語を語り始める。
【過去(第1章〜第2章)】
高校2年生、沖縄。陸上部の走り高跳び選手だった亜季は、誰よりも高く、空の真ん中へ跳ぶことを夢見ていた。マネージャーとして彼女を支える太陽。二人は不器用ながらも惹かれ合い、潮風の中で未来を約束する。しかし、残酷な病魔(白血病)が亜季の細い身体を蝕み始める。跳ぶことを奪われ、重力に縛り付けられた病室で、亜季は太陽にある「最後の願い」を託す。
【現在(第3章)】
物語を語り終えた太陽は、海の手を引き、かつて亜季と約束した「場所」へと向かう。そこは、彼女が最後に跳ぶはずだった高さのバーを設置すると誓った、世界の中心。大人になり、親となった太陽が、今だからこそ叫べる愛の形とは。失った悲しみを、生きていく強さに変えるための再会の物語。