あらすじ
「一年後にお前を殺す」
聖女として祖国に尽くし、滅びかけた王国の希望として日々奔走していたヴァレンティーナは、同じ聖女である妹マチルダの陰謀により失脚し、婚約者であった王太子を略奪される。
処刑こそ免れたものの、彼女に下されたのは休戦中の隣国・ヴァンタール帝国へと人質同然に嫁がされる事だった。
しかもその嫁ぎ先は―――帝国内でも忌み嫌われる黒竜公爵家。
呪われた土地と帝国内でも忌避される血に塗れた一族。この家に嫁いだ者は、代々早死にしてしまうという恐ろしい呪いを抱えていた。
国にも民にも家族にも捨てられ、すべてを失ったヴァレンティーナは、もはや何も望まず、せめて最後くらい自分の意思で生きようと心を決める。
だが公爵領で対面した黒公爵の姿は、幼き日に出逢った運命の少年と酷似していた。
それは聖女としての過酷な人生を支えてきた、唯一の光。
淡い希望が胸に灯る。
―――しかし。
彼の口から告げられたその一言で、かすかな希望は無残に砕け散る。