あらすじ

明治維新という名の、巨大な「賭場」があった 。 下関の安宿。腐った雨が降っていた 。 久坂部鋭は、高杉晋作から一個の象牙の賽を託される。 重心を狂わせた、必ず「一」が出るイカサマの賽だ 。 「俺たちは、イカサマで勝つしかない」 それは革命への参加ではなく、血塗られた「共犯者」としての契約だった 。 奇兵隊軍監付監察――。 志士たちが光の中に立ち、大義を叫ぶ傍らで、鋭は影となり、腐った薪を間引く「始末屋」として暗躍する 。 相棒は、最新式のリボルバーを操る傭兵、テツ 。 立ちはだかるのは、幕府が放った凍りついた狂気、氷室狂介 。 高杉、時山、赤禰、世良 。 一人、また一人と男たちが逝き、熱狂が冷めていく中、鋭だけが賽を握りしめ続ける。 喉を焼く酒と、鉄の匂い。 これは、時代の端に置かれた男の、祈りと決別の挽歌である。

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カクヨム
カクヨム2026/02/16
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