あらすじ
500年前、苛烈な後継者争いをした双子の王子がいた。
その争いは国を二分し、黄金の都を灰に変えるほどの火種を残した。以来、アロガン帝国において双子は「忌み子」とされ、災禍の再来を防ぐためにその誕生は即座に抹消されるのが、鉄の掟であった。
しかし、現代。皮肉にも皇族の直系に双子が生まれてしまう。
即刻処刑を叫ぶ元老院の声が響く中、皇帝アルドリックは一つの宣告を下した。
「双子は、10歳の『血の儀式』までは生かす。アロガンの誇りたる血族魔法、それかジェネロジタ王国に伝わる聖なる血族魔法――どちらかのみが、我が血を引く者がこの世に留まるための、唯一の免罪符だ。」
10年の猶予という名の執行猶予。
そして運命の日。儀式の結果、二人の道は無情にも分かたれてしまった。
片方は、帝王の魔法を継承し、帝国の「完璧な後継者」として君臨する道。
もう片方は、魔法を継承せず、暗い地下牢で「処刑」を待つ無能の道。
だが、皇妃の手助けにより、処刑を逃れ他国へ逃避が叶う。
切り離された双子の運命は、いつ、どこで再び交わるのか。
それが意味するのは福なのか、それとも凶なのか。
その答えは、まだ誰にも分からない。