あらすじ
現代の学園で、世界の“仕様”が静かに書き換わり始めた。地図や名簿、端末の表示は噛み合わず、いつもの行動に“承認”や“権限”が要求される。黒髪の高校生・相羽悠斗は、改変の痕跡を「場所」と「分類」だけ見抜ける能力を最初に得る。誰もがバグだと笑って流す違和感を、悠斗だけが「仕様改変」だと確信できた。
更新を利用して秩序を握ろうとする勢力、効率を信奉する設計者層、そして人格なき更新機構。敵と思想でぶつかりながら、悠斗は世界を初期化せずに再建する道を探る。国名などの現代のラベルは失効し、代わりに旧名や新しい呼称が広がっていく。それでも人は人のまま、顔も記憶も変わらない。変わるのは記録と権限。崩れる世界を、仕組みと合意で作り直す――《スペックシフト》から始まる世界再建の物語。